U.吉井川上流域の河川と渓流畔林調査(2010.8)


8.奥津湖の放流

児島湾周辺の養殖ノリの“色落ち”対策として、奥津湖でH22年1月20日から通常の放水分に毎秒4tを上乗せした緊急放水が行われた。そこで、放流水がどのような水なのかを見たいと思い現地に出かけた。
 水の濁りを比較するため、鏡野町富を流れる目木川、鏡野町中谷を流れる中谷川、奥津湖下の放流水、および奥津湖流入部の写真を撮影した。
 奥津湖の放流水は暗褐色に濁っており、水深1m以上では川底は見えない。奥津湖流入部は清水であるが、若干の汚れが見られる。目木川および中谷川は透明な清水であった。
 奥津湖よりも上流の吉井川沿いに奥津温泉郷がある。ここから常時湧出しているアルカリ性の温泉水は本流に混入して奥津湖へ流れ込み、その大部分がそのまま溜まる。本流によって希釈された温泉水であっても、長い年月を経て湖底に移動し、ある程度の濃度に固定されて、浅い湖水よりも酸素の少ない水に変わっているであろう。奥津湖の放流水が流域の生物にどのような影響を与えるか、まだ詳しく調べられてはいないが、水の少ない渇水期の放水は水質の影響が長引くことが懸念される。



ホームページ作成素材 Cool Liberty